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介護職における医療行為と医療的ケアについて

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医師が治療の一環として行う医療行為とは異なり、軽微な切り傷の処置、服薬介助、口腔ケアなど日常生活に欠かせない生活援助行為を医療的ケアと呼んでいます。介護職員は医療行為をすることはできませんが、医療的ケアは行うことができます。ここでは、代表的な8つの医療的ケアについて説明します。

介護職員ができる医療的ケア

代表的な医療的ケアは以下の通りです。

1.爪切り

爪の周囲に化膿や炎症などの異常がない場合に限り、介護職員が爪切りを行うことができます。皮膚を傷つけるような無理な切り方は避け、深爪にならないように注意深く爪先を整えます。また、糖尿病などの疾患に伴う専門的な管理が必要な場合は、爪切りを行うことはできません。

2.湿布の貼り付け

介護職による湿布の貼り付けは、原則として、医師から処方されたもの、または薬剤師・看護師による指導を受けて使用する場合に限られます。筋肉痛・関節痛の緩和に効果的な湿布ですが、しばらく使い続けても症状がおさまらなかった場合は、医師の診断を受けるよう促していきましょう。

3.薬の内服の介助

薬の内服の介助では、指示された通りの回数・量を守るだけではなく、要介護者が口に含んだ薬を確実に飲み込めるよう配慮しなければなりません。ひとりで座位をとることが難しかったり、食べ物を喉にひっかけやすい傾向があったりする要介護者の場合は、薬を飲み込みやすい姿勢を保ちながら、口の中に薬が残らないよう飲み込んでもらいます。

4.浣腸

市販されているディスポーザブルグリセリン(挿入部の長さが5~6cm、グリセリン濃度50%、40g程度以下のもの)を用いた浣腸は、医療的ケアに分類されます。挿入部分を無理に押し入れると、肛門の内側を傷つけてしまうため、少しでも抵抗を感じるときは医師または看護師に相談するようにします。

5.目薬の点眼

薬の内服と同様に、医師の処方を受け、看護師または薬剤師による指導を遵守することが原則です。最近では、目薬と似たような容器に入った薬(点鼻薬など)が増えているため、誤って使ってしまわないように注意します。

6.ネブライザー治療の介助

ネブライザー治療(鼻の通りをよくするための治療)の介助は、病状が安定し、入院治療や医師による経過観察の必要がない利用者に対してのみ認められています。利用者に薬剤の効能や副作用について質問される場合があるため、あらかじめ知識を習得しておくようにしましょう。

7.ストーマ

大腸ガンの手術後などに造られる人工肛門などの排泄口(ストーマ)から排泄される便を貯める袋の処理は、医師や看護師が実施するのが望ましいとされる医療行為のひとつですが、肌に接着したストーマ装具周辺の状態が安定している場合のみにおいて、介護職員の実施が認められています。

8.膀胱留置カテーテル

尿道から膀胱へ直接挿入されるカテーテルを通して排泄された尿をためる排液バッグは、いっぱいになった時点もしくは6~8時間おきに空にする必要があります。尿路感染症を引き起こしやすいため、カテーテルからの尿漏れや臭い、皮膚観察を徹底し、清潔を保ちます。

医療的ケアは、医療行為と異なり生命に直接関わるような行為は少ないものの、ちょっとした注意不足で大きな事故につながる恐れがあります。正しい知識のもと、定められた手順を守り慎重に実施するようにしましょう。

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