介護事業お役立ちコラム

介護報酬改定と経費削減

2018年の介護報酬改定が与える影響とは?


介護保険制度下で提供される 介護サービス の対価として支払われる介護報酬は、高齢者介護の現状や経済情勢に配慮し、原則として3年に1度見直しが行われています。2018年度の改定では、2012年度改定以来のプラス改定となったものの、サービスの種類や規模によっては報酬が引き下げとなっており、これまでと同様、厳しい状況が続くことが予測されています。

過去5回分の介護報酬の改定

介護保険法 が施行されて以降、高齢化の影響により介護保険サービス全体にかかる費用は、右肩上がりに増加。2000年度に約3兆6000億円だったものが、2014年度には10兆円にまで達しています。
しかし介護報酬の改定は、増え続ける介護費用の抑制だけを目的としているのではありません。高齢化や過疎、認知症高齢者の増加、介護人材の不足、家族の介護負担などの社会問題に配慮しながら、高齢者がより質の高い介護サービスを受けられるよう、介護報酬や加算の仕組みを見直しています。

過去5回分(2003年~2015年)の介護報酬改定を振り返ってみると、2003年に2.3%、2006年に(2005年10月改定分を含め)2.4%のマイナス改定(報酬減)、次いで2009年に3.0%、2012年に1.2%のプラス改定、2015年には、2.27%のマイナス改定という経緯をたどってきました。
介護報酬は、サービスごとに決定されるため、介護費全体でプラス改定となっても全ての報酬がプラスとなるとは限りませんが、いずれにせよ介護報酬の改定は、介護事業所の経営に大きな影響を与えることになります。

全体的なプラス改定となった背景

2018年度の介護報酬の改定率は、前回のマイナス改定で顕著となった介護事業所の経営難、介護職員の離職率増加といった問題を受け、全体として0.54%のプラス改定となりました。プラス改定となったのは、2012年度の改定以来のこと。
介護事業所の経営安定化やサービスの質向上、介護人材の確保など、2025年度をめどに移行が進められる地域包括ケアシステムの構築に必要な改定幅として示されました。

しかしながら、基本報酬が引き下げとなるサービスもいくつか見受けられます。政府は、全体としてプラスの改定を行いながらも、マイナス0.5%相当の給付適正化を行うとしており、比較的利益率の高いサービスで報酬が引き下げられます。その一方で、新しく導入される加算も多くなっていますが、外部施設との連携や専門職の配置を要す加算のため、要件を満たせない事業所では、事業所の中長期的な方針や事業計画を大幅に見直す必要があるかもしれません。

報酬の増減が行われた対象サービス

地域包括ケアサービスの構築・強化、自立支援、介護人材の確保をキーワードとした今回の介護報酬改定では、リハビリテーションによる生活機能の向上や地域連携、介護ロボットの活用に対し報酬の引き上げが行われています。

例えば、これまで機能訓練指導員として勤務するリハビリテーション専門職を1名配置することを義務付けていた「個別機能訓練加算」では、外部のリハビリテーション専門職と連携して実施する形でも加算を得られるよう要件が緩和されています。

また、ショートステイにおいても同様に、加算が新設されています(生活機能向上連携加算)。介護ロボットに関しては、特別養護老人ホームにおける夜間職員配置加算において、見守りロボットの活用が加算要件として追加されています。

報酬引き下げが行われる主なサービスとしては、大規模通所介護と訪問介護における生活援助サービスが挙げられます。

大規模通所介護では、これまでも報酬の引き下げが行われていましたが、小規模通所介護に比べ利益率が高い状況が続いていることから引き下げの対象となりました。

訪問介護においては、利用者の生活機能向上に関わる身体介護をより充実させ、過剰なサービスに繋がりやすい生活援助の報酬を引き下げるとともに、資格要件を緩和し、サービス提供できる人材の確保を進める方針となりました。

報酬改定に左右されないためにも積極的にコスト削減をしよう

団塊の世代が後期高齢者に達する2025年に向け、今後も社会保障費用の抑制努力が求められるでしょう。介護報酬のさらなる引き下げもその一つ。介護報酬の改定に左右されない経営を維持するには、積極的なコスト削減が必要不可欠となります。

印刷や備品のコスト削減

職員会議や研修会の資料印刷、事務用品の在庫管理は万全でしょうか。紙資料を電子化することで紙やインク購入費用をカットするなど、様々な工夫によりコスト削減が可能です。

関連記事:「介護事業所における印刷コスト、備品コストの削減方法」

水道、光熱費の削減

職員の心がけ次第で水道や電気の無駄遣いを抑制できます。毎月の水道光熱費をグラフで表し経費削減を意識させる(見える化)などし、全職員にコスト削減を意識させましょう。

関連記事:「介護事業所における水道、光熱費などの経費削減方法」

介護ソフトの見直し

介護報酬の請求業務に欠かせない介護ソフト。高価なソフトが万能とは限りません。介護ソフトの見直しにより、業務効率の改善も期待できます。

関連記事:「今こそ見直そう!安く高品質な介護報酬請求ソフトの選び方」

今回の介護報酬改定では介護事業者の厳しい経営状況を配慮しプラス改定となりました。しかしながら、多くの介護事業所で今後も厳しい経営状態を余儀なくされる可能性が少なくありません。報酬改定に経営状態が左右されないよう、事業所の総合的なコスト削減などを検討し、安定経営を目指していきましょう。

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