どのような世界にもマニア、好事家の類はいるものです。 世にも珍しい介護保険請求のマニアの部屋へようこそ。 このマニアの部屋でご紹介するのは、介護保険の料金計算のルール。 本当は、こんなこと知らなくてもいいんです。だって、全部請求ソフトが全部計算してくれますから。 でも、知っておくとちょっと、ほんのすこーし、便利かもしれません。

請求のおねえさん

ナビゲーターは、介護保険請求マニアである「請求のおねえさん」。細かな国保連請求ルールと格闘するうちに世にも珍しいマニアになりました。
好きなアイス:ピノ

    羊さん

    今日のお相手は、介護事業所で働く「羊さん」。最近国保連請求を担当することになりました。
    好きなアイス:あずきバー

      どうしよう、どうしよう!合わない…。1単位合わない…。1円合わない…。

      どうしましたか?

      利用者さまのご家族から質問がありまして。
      請求書を見ながら、この訪問介護の料金総額はどうやって計算してるの?って仰るんです。

      利用者さまからすると料金は気になるところですね。とくに、処遇改善加算など耳慣れない 言葉で料金が追加されているとなおさら。ここは丁寧にご説明して納得していただきたいですね。

      それが…。さっきから電卓をたたいているのですが、なんだか1単位ずれたり、1円合わな かったりで。

      計算の途中で小数点以下の値、端数が出てきてませんか?

      そう!そうなんです。小数点以下の端数ってどう処理すればいいんですか?

      料金計算の基本

      単位数×地域単価=料金

      介護サービスの料金は、厚生労働省の定める「単位数」で決まっています。たとえば、身体介護を25分行ったら、「身体介護1」で「249単位」という具合です。

      「単位数」だけでは料金にならないので、ここに「地域単価」を掛け算します。「地域単価」は1単位あたりの金額です。地域によって違いがあるので「地域単価」と呼ばれます。現在は、10円~11.40円までで、地域によって決まっています。(令和2年8月現在)

      たとえば私の母の故郷、静岡県島田市で訪問介護を受けたときの「地域単価」は、「10.21円」です。「単位数×地域単価=料金」にあてはめて計算すると、

      身体介護1の249単位 × 島田市の10.21円 = 2,542.29円

      あ、端数が出てきましたね。

      0.29円の請求というのは現実的ではありません。ではこれをどうしたらいいでしょうか?

      切り上げ?切り捨て?四捨五入???

      答えは「端数は切り捨て」です。

      金額計算の端数処理

      計算の答えが「金額」の時の端数は「切り捨て」

      計算の結果、答えとして「金額」が算出されたときの端数は「切り捨て」になります。四捨五入ではないので、0.9円でも繰り上げず、切り捨てとなります。

      なるほど、端数が出たら切り捨てるんですね?

      う~ん、それが単純にそうとは言い切れないんです。今回の大きなポイントは、計算の答えが「金額の時は」端数は切り捨て、というところにあります。逆に、計算の答えが「金額でない時は」端数は切り捨てではないのです。

      え~?どういうこっちゃ・・・?

      今回の例はわかりやすい説明のために、極力単純な計算にしてみました。実際は、もっとたくさんのサービスを使ったり、加算・減算を追加したりします。金額の計算に行き着くまでの間に、他にも別の端数の処理が行われているのです。

      ということで、後編に続きます→「第2回 料金計算の基本と端数処理 後編

      ここまでの参考資料

      ※いずれもこの記事を書いた令和2年8月時点の情報です。法改正で変更になりますので、必ず最新の情報で確認してください。今後の法改正は令和3年4月予定です。ご注意を!

      うちの地域単価を知りたい。

      ⇒まずは、対象地域の「地域区分」を調べましょう。WAMNETの「介護保険事務処理システムに係る参考資料」で確認できます。URLはこちら↓
      https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2018/0403134610447/20180403_011.pdf

      ⇒「地域区分」が判明したら、「地域単価」がわかります。同じくWAMNETの「介護保険事務処理システムに係る参考資料」から確認できます。URLはこちら↓
      https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2018/0403134603587/20180403_010.pdf

      金額算出の際、端数を切り捨てるという根拠は?

      ⇒「介護給付費請求書等の記載要領について(平成 13 年 11 月 16 日老老発第 31 号厚生労働省老健局老人保健課長通知)」で示されています。こちらも法改正でどんどん変更されますし、加えてかなり長文です。下記のURLの「新旧対照表」でざっと確認していただくのがお勧めです。
      https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2018/0403134642862/20180403_014.pdf