介護事業お役立ちコラム

税理士・介護福祉経営士の【連載コラム】

消費税の複数税率化に伴う介護事業者への影響

2019年10月1日、ついに複数税率が導入されました。食料品の譲渡と新聞購読は軽減税率8%、それ以外の資産の譲渡・貸付及び役務の提供は標準税率10%です。8%と10%との線引き理由ですが、政治的決着の賜物であることから、税理士である私にもわかりません。

消費税課税対象となる介護分野のサービス

介護保険サービスの多くは消費税非課税のサービスが多いことから、複数税率への対応という面では慌ただしさはないようです。しかし、介護保険サービスであっても、福祉用具の貸与・販売、サービス付高齢者住宅や有料老人ホームの食費、予防介護サービス計画作成の業務受託、そして介護保険外サービスは消費税課税となります。課税事業者であれば、必ず10%、8%、非課税となるものを整理し、消費税納税額の試算は今のうちから行いましょう。

消費税の盲点は居宅介護支援事業所の課税売上

私が考える消費税の盲点は、居宅介護支援事業所の課税売上です。これまで少人数の介護支援専門員による居宅介護支援事業所が数多く見受けられてきましたが、収益改善を目的とした特定事業所加算の取得、管理者を主任介護支援専門員に限定する流れから、介護支援専門員の増員を狙う居宅介護支援事業所が増える傾向にあります。ケアプラン作成のみでしたら課税売上の心配はありませんが、ほとんどの居宅介護支援事業所では、地域包括支援センターから予防介護サービス計画作成業務を受託していることでしょう。例えば1件あたりの受託額4,400円(税込)、1か月の受託件数が10件/ケアマネ1人、介護支援専門員が10人在籍する規模の大きな居宅介護支援事業所の場合、年間受託売上は528万円となります。

そして、居宅介護支援事業所の90%近くが併設型事業所という実態から、併設施設において年間500万円程度の課税売上がある場合、年間の課税売上合計額は1,000万円超となり消費税の課税事業者となります。これまで気にする必要がなかった課税仕入れの適切な処理、消費税申告書の作成、そして消費税の納税は新たなコストを生じさせます。気づいたら消費税課税事業者だったということにならないように、改めて自社の課税売上を集計して課税事業者か否かの確認をお勧めいたします。

「区分記載請求書等保存方式」の導入

さて、すでに消費税の課税事業者である介護事業所の場合、複数税率に対応するために請求書や領収書のフォーマットに気を配られたと思います。8%税率と10%税率が混在する場合の「区分記載請求書等保存方式」では、請求書等に軽減税率対象サービスや品目については8%であることの明示及び税率(10%、8%)ごとに区分して合計した税込対価の額を記載することとなっています。請求書等の本格的な発行は、11月に入ってからになると思いますが、自社のシステムが対応済みであれば10月中旬をめどに実際のデータを使って、請求書等を印刷して確認しておいていただければと思います。

「区分記載請求書等保存方式」対応の介護ソフトについて

ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。2019年10月の消費税率変更を受け、利用者への請求書・領収書の様式変更についてお悩みのご担当者様はいらっしゃいませんか?

介護請求ソフト楽すけなら、「区分記載請求書等保存方式」に対応した請求書・領収書の発行のほかにも、品目ごとの非課税・標準税率・軽減税率の設定や、軽減税率対象となるサービス付高齢者住宅や有料老人ホームの食費の上限オーバーチェック機能など、介護請求業務のお悩みにお応えします。介護請求ソフト「楽すけ」についてはこちら

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