地域共生社会とは?我が事・丸ごとの仕組みづくり
少子高齢化、人口減少社会を背景とした社会・経済の存続が危惧される中、既存の高齢者介護や障害者福祉サービスのあり方を大きく見直そうという動きが加速しています。 その具体策として厚生労働省を主導に掲
平成30年4月の 介護保険法 改正において、介護保険サービスおよび障害福祉サービスの両方に新しく導入された共生型サービス。介護保険、障害福祉いずれかの指定事業所であれば、もう一方の制度における指定も受けやすくなりました。共生型サービスの対象となるのは、ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイの3種類となっており、提供する事業者、サービス種類ごとに報酬が設定されています。
共生型サービスの対象として新たに基準・報酬が設定されたのは、介護保険優先原則が適用された介護保険サービスと、障害福祉サービスの両方に共通する(法改正前の基準該当サービス)以下の3つのサービスです。
介護保険サービス事業所として「訪問介護」を提供している場合、障害者(児)を対象とした「居宅介護」「重度訪問介護」サービスを提供することができます。
同様に、「居宅介護」または「重度訪問介護」を行う障害福祉事業所では、要介護・要支援高齢者に対し「訪問介護」に相当するサービスを提供できます。
介護保険サービス事業所として、「通所介護(デイサービス)」または「地域密着型通所介護」を行なっている場合、障害者(児)を対象とした「生活介護」「自立訓練(機能訓練・生活訓練)」「児童発達支援」「放課後等デイサービス」に相当するサービスを提供することができます。
同様に、「生活介護」「自立訓練(機能訓練・生活訓練)」「児童発達支援」「放課後等デイサービス」を行う障害福祉サービス事業所では、要介護・要支援高齢者に対し「通所介護」に相当するサービスを提供できます(主として重症心身障害者を通わせる事業所を除く)。
介護保険サービス事業所として、「短期入所生活介護」「介護予防短期入所生活介護」を行っている場合、障害者(児)を対象とした「短期入所」に相当するサービスを提供することができます。
同様に、「短期入所」を行う障害福祉サービス事業所では、要介護・要支援高齢者に対し「短期入所生活介護」「介護予防短期入所生活介護」に相当するサービスを提供できます。
障害福祉サービスの事業者が、要介護・要支援高齢者に対し介護保険サービスを提供する場合の報酬は、介護保険サービスを提供する事業所として人員配置基準等を満たしていないことから、法改正前の基準該当サービスを基準に通常の介護報酬よりもやや低めの単位が設定されています。主な報酬は、以下の通りです。
居宅介護を提供する障害福祉サービス事業所と重度訪問介護を提供する障害福祉サービス事業所が、要介護・要支援高齢者に対し訪問介護を行なった場合の報酬は異なります。居宅介護を提供する事業所が訪問介護を行った場合は、介護保険サービス事業所が訪問介護を行なった場合の報酬と同じ単位となります。ただし、障害者居宅介護従事者基礎研修課程修了者等や障害者居宅介護従業者基礎研修課程修了者等が訪問介護を行なった場合は報酬が減算されます。
障害福祉サービスを提供する事業所が、要介護・要支援高齢者に対し通所介護サービスを行なった場合は、介護保険サービス事業所がデイサービスを行なった場合の報酬から7%〜10%減算した単位を請求できます。
短期入所の障害福祉サービス事業所が、要介護・要支援高齢者に対し短期入所サービスを行なった場合の報酬は、介護保険サービス事業所が併設型短期入所生活介護サービスを行なった場合の報酬から8%減算した単位を請求できます。
共生型通所介護事業所(「生活介護」「自立訓練」「児童発達支援」「放課後等デイサービス」を提供する事業所)または共生型短期入所生活介護事業所(「短期入所」を提供する事業所)が、要介護・要支援高齢者に対しデイサービスまたはショートステイサービスを提供する場合、「生活相談員配置等加算(13単位/1日)」を算定することができます。ただし、社会福祉士などの生活相談員を配置し地域住民が気軽に集える場所を提供するといった地域貢献活動の実績が必要です。
介護保険サービスの事業者が、障害者(児)に対し介護保険サービスを提供する場合の主な報酬は以下の通りです。
平成30年4月の法改正前から、介護保険サービスの訪問介護を提供している事業所であれば、指定居宅介護事業所および指定重度訪問介護事業所の基準を満たしているものとされていました。そのため、障害福祉サービスを提供した報酬については従来どおり、居宅介護や重度訪問介護の事業所と同じ単位を請求できます。
介護保険サービスの短期入所生活介護事業所が、障害福祉サービスの短期入所サービスを提供する場合、本来的な障害福祉サービス事業所の基準を満たしていないため、法改正前の基準該当サービスを基準に通常の障害福祉サービス事業所の報酬よりもやや低めの単位が設定されています。
看護職員を常勤で1人以上配置した場合、はそれぞれ次の単位を請求できます。
共生型サービスの導入により、病気や障害の内容、年齢にかかわらず誰もが住み慣れた地域で必要なサービスを受ける体制が強化されることが期待されます。障害福祉サービスを提供する事業所では、以前よりもやや低い報酬となっていますが、専門職の配置により一定の加算が得られる可能性があります。
*以上の内容は、平成30年4月末までに公表された情報に基づき作成しています