
独立前に一読を!訪問介護事業者が確認すべき運営基準
ここでは訪問介護事業所を立ち上げる前に確認しておきたい介護保険法(平成24年度改訂)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」の中から訪問介護の運営基準について、詳しく説明していきま

[※この記事内容は、2015年1月28日時点の情報を元に作成した記事を、2018年6月11日時点の情報を追記・更新を加えたものです。]
介護施設の不足が原因で、介護難民となってしまった高齢者たちとその家族の大切な受け皿となる訪問介護。今後ますますそのニーズが高まるであろう訪問介護職ですが、事業所を開設するためにはいくつかの基準をクリアする必要があります。ここでは、訪問介護の人員基準と必要な資格について詳しく説明していきます。
訪問介護事業所を開設するためには、「管理者」、「サービス提供責任者」、「訪問介護員」を規定された人数を配置する必要があります。
管理者になるための条件として、「事業所の営業時間帯に在籍する常勤であり、もっぱらその職務に従事していること」と定められています。「もっぱらその職務に従事していること」というのは、管理者など定められた職務に従事し、ほかの職務に従事できないということです。例えば、飲食業者が介護事業に参入して訪問介護事業所をオープンさせた場合、管理者は飲食業に関わる職務を兼任できないということです。
管理者はサービス提供責任者との兼任が認められていて、兼任することで必要人員が少なく済むというメリットがあります。ただし、管理者がサービス提供責任者と訪問介護員の三役を兼任することは、業務に支障が出る恐れがあるという理由から認められていません。ただし、管理者が訪問介護員を兼任することについては、各都道府県によって扱いが異なりますので、訪問介護事業所を開設する自治体に事前に確認すると良いでしょう。
訪問介護事業所を開設するために必要な人員は、下記の通りです。
事業所ごとに、専従で常勤の者1名以上を配置します。
事業所の規模に応じて1名以上。利用者の数40人ごとにサービス提供責任者1名以上増加。
ここでいう利用者の数とは、過去3カ月分の平均値を指します。例えば、利用者が40人以下の場合は常勤1名、利用者が40人以上80人以下の場合は常勤2名となります。
【追記】2015年4月の法改正で、一定の条件を満たした場合、利用者 50 人に対して1人以上とすることができるようになりました。
事業所ごと常勤換算で2.5人以上を配置(サービス提供責任者を含む)。
「常勤換算」とは、全従業員の平均勤務時間数と常勤職員が勤務すべき時間数を割った数値のことで、計算方法は下記の通りです。
【従業者の勤務延時間数[h]】÷【常勤従事者の勤務時間数[h]】=【常勤換算[人]】
常勤職員が1日8時間、週5日勤務する事業所の場合を例にすると、常勤職員の1カ月の勤務時間数は、8時間×5日×4週(1カ月)=160時間となります。
次に、全ての訪問介護員(サービス提供責任者を含む)の1カ月の稼動時間(訪問介護に関わる業務の時間)を合計します。
サービス提供責任者(160時間)+訪問介護員A(150時間)+訪問介護員B(60時間)+訪問介護員C(40時間)=410時間。
この数字を常勤職員の1カ月の勤務時間160時間で割ると、410÷160=2.5625となりますので、基準値である2.5をクリアしているということになります。
では、各職種に就くためにはどのような資格が必要なのでしょうか。
特に資格は必要ありません。
次のいずれかの条件を満たしていることが義務づけられています。
【2015年4月~】
次のいずれかの条件を満たしていることが義務づけられています。
【2015年4月~】
上記で紹介した内容は2017年度改定の介護保険法「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」に基づくものになります。基準に満たない項目があると、報酬の減算対象となる恐れもあります。独自の基準を設けている自治体や定期的に行われる介護保険法改正に合わせて、必要な人員について事前に確認しておくと良いでしょう。
※上記の内容は、2015年1月28日時点の情報を元に作成した記事を、2018年6月11日時点の情報を追記・更新を加えたものです。