介護事業お役立ちコラム

介護報酬改定と経費削減

2015年度の介護報酬改定が与える介護事業所への影響

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2015年1月〜4月で多くの事業所が倒産しました。4月以降は介護報酬改定により、大幅な介護報酬単価の引き下げが実行されたため、より倒産件数が増加する見込みとなっています。中でも、この影響が大きいとされるのは、小規模デイサービスや訪問介護事業所など、資本力の弱い新規事業者です。一度業績不振に追い込まれると、なかなか再建が難しくなり、倒産のリスクを抱えている現状が明らかになっています。今回は、2015年度の介護報酬改定が介護事業所に与える影響について、ご説明していきます。

2015年介護報酬改定による事業所への影響は?

2015年度の介護報酬改定では、中~重度の要介護高齢者または認知症高齢者に対するサービス単価引き上げや、介護職員の処遇改善の加算分を除くと、全体で4.48%のサービス単価引き下げとなりました。特に通所介護において、報酬改定の影響により経営面に大きなダメージを受ける結果となっています。

通所介護と訪問介護における、介護報酬改定による影響についての詳しい情報は、以下のページにてご確認ください。

⇒【通所介護】【訪問介護】における2015年度の介護報酬制度改定による売上への影響

介護報酬の影響を軽減するためには

介護報酬改定が行われたことにより、厚生労働省が掲げる基本方針に基づいて、現状のサービス提供内容を見直すことが必要になっています。また、2025年をめどに本格的に導入される地域包括ケアシステムについても前倒しで推進する形で、近隣事業所や関連機関との連携体制を整え、業務の効率化を図っていくことが重要です。

さらに、報酬が増額された中~重度の要介護高齢者の受け入れを拡大し、継続的な支援の強化や、在宅における口腔、栄養の管理、社会参加に焦点を当てたリハビリテーションの推進、看取り期(終末期)の対応などを、利用者のニーズに応じて導入できるよう事業方針を見直していかなければいけないでしょう。

新規事業者との競争に勝ち残るためには、経営マネジメントも欠かせません。介護保険サービスの市場規模は約10兆円を突破し、団塊の世代が後期高齢者となる2025年までには、20兆円規模を越えると見込まれています。経営ノウハウを持った民間企業が、新たな競争相手となっても利用者を奪われないよう戦略を持ちつつ、地域住民との深い信頼関係を築いていくことが大切です。

また、水道光熱費などの施設維持費用、事務経費などの基本的な経費削減は、増収効果を高めるだけではなく、今回の厳しい改定内容を職員全体に意識付けるためにも、ぜひ行っておきたいものでしょう。

ただし、経費の削減ばかりを強いると、介護の質の低下や職員間のトラブルを引き起こしかねません。研修制度やキャリアアップ支援体制を独自に設けるなどの工夫をして、職員の意欲や資質向上にも努めるようにしましょう。

2015年度の介護報酬制度改定により、サービスの種類を問わず、多くの事業所で大幅な減収を強いられました。利用者数の拡大や経費削減のほかにも、地域の町内会やボランティア団体の協力を得て人件費を削減したり、介護保険適用外のサービスを独自に展開したりして、収益を確保しようとする事業所も増えています。

2018年度の介護報酬改定についてはこちらの記事をご覧ください

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