介護保険対象拡大 全障害者団体が反対
厚労省有識者会議
自立支援法が裏目
厚生労働省は五日、「介護保険制度の被保険者・受給者範囲に関する有識者会議」(座長=京極高宣国立社会保障・人口問題研究所所長)を開催し、障害者団体からのヒアリングを行った。障害者も介護保険の給付対象にすることについて意見を述べた八団体は全て、「反対」だった。当初は拡大に前向きだった二団体も、障害者自立支援法の混乱が続く現状では「議論どころではない」と反対の立場を明らかにした。介護保険との統合を意識して改正を急いだ自立支援法が完全に裏目に出たかたちだ。委員からも、「当事者が反対ということであれば、議論する前提が整っていない」と厳しい意見が出された。>
参加したのは、日本身体障害者団体連合会、全日本ろうあ連盟、全国脊髄損傷者連合会、DPI日本会議、日本障害者協議会、全日本手をつなぐ育成会、全国精神障害者家族会連合会、日本盲人連合会の八団体。>
賛否に濃淡はあるものの共通するのは、「障害者自立支援法の混乱のなかでは統合についての議論はできない」という点だ。今年度の補正予算に二年間の時限付きで、事業者支援、利用者の負担軽減の激変緩和措置が盛り込まれている。そもそもこれでよかったのかが、問われているところだ。(以下略)
後期高齢者医療制度 介護サービスと連携
厚労省部会がたたき台
厚生労働省は五日、二〇〇八年四月に創設される後期高齢者医療制度の基本的な考え方のたたき台を社会保障審議会の特別部会に示した。複数疾患を抱える患者を総合的に診る「かかりつけ医」の機能強化や患者の望む終末期を迎えるための自己決定の重視、介護保険サービスと連携のとれたサービス提供などが盛り込まれている。三月中にとりまとめ、来年度中には診療報酬を決める。
たたき台では、日後期高齢者の心身の特性、月基本的な視点、火後期高齢者医療における課題、水後期高齢者にふさわしい医療の体系――の四つの柱が示された。
慢性疾患を抱える高齢者には、在宅や施設での生活に合わせた療養が必要とし、そのために複数疾患を抱える高齢者を総合的にマネジメントできるかかりつけ医による医療がふさわしいとしている。また、現状では退院後すぐ介護サービスを利用できる体制になっていないことから、治療の段階から在宅での介護サービス利用を念頭に置いたサービス提供が必要と指摘している。(以下略)
増えるPEG〜胃ろうケアの現在 上
目立たず介護もラクに
口から食べられない人、誤嚥を起こしやすい人が直接胃から栄養を補給するためにお腹につくる胃ろう。重度化が進む施設でも、胃ろうの入居者が増えている。造設の方法として、最近増えているのが内視鏡を使ってお腹にカテーテルを取り付けるPEGという方法だ。従来から行われていた鼻から管を通す方法(経鼻栄養)よりも患者の苦痛や介護者の負担が少ないため、医療現場で推進されているという。PEGとはどんな技術か。取材した。
PEG(経皮内視鏡的胃ろう造設術)は、胃に直接栄養を投与するためお腹に穴を開ける手術のこと。一般的にはお腹の穴(胃ろう)のことを指して呼ばれている。図のような構造で、腹壁と胃壁に穴を開け、内視鏡を使って胃の中と外の両側にカテーテルを取り付け、日常的には栄養チューブをつないで栄養剤を入れる。PEGについて医療者や家族、患者などに情報提供を行っているPEGドクターズネットワーク(PDN、東京都港区)によると、二〇〇五年時点で全国で約一一万件の造設が行われていると推計され、実施数は年々多くなっている。
「高齢社会の中で、嚥下障害や脳梗塞、パーキンソン病、認知症などの障害により摂食・嚥下が困難な人が増えています。こうした口から食べられない人への栄養療法として日本で九〇年代から広まりだしたのがPEGです」
年間約五〇例のPEG造設手術を行う財団法人東京都保健医療公社大久保病院(東京都新宿区)の丸山道生外科部長は説明する。(以下略)
受講生確保に各社苦戦
介護職員基礎研修スタート
受講料、500時間で50万も
介護保険の改正で今年度から導入が決まった介護職員基礎研修が、今月から北海道・神奈川などで順次スタートすることが分かった。事業者指定が始まっている都道府県は全国でも限られており、現時点で受講者の募集を始めている事業者もまだほんのわずかのようだ。本紙が調べた範囲では、実習など免除科目のあるヘルパー一・二級の実務経験者を対象とした研修コースから始めるところがほとんどだが、受講料はヘルパー二級の一五○時間コースで七万円台〜二○万円まで、五○○時間丸々コースでは三○万円台〜五○万円までとかなり開きがある。いち早くスタートしたものの申し込みが少なく開講を延期したなど、受講者確保に苦戦を強いられている声も相次いでいる。
介護職の質向上のためとして、改正介護保険で今年度から導入が決まった介護職員基礎研修は、講義・実習合わせて五○○時間以上が標準カリキュラムだ。現行のヘルパー二級研修一三○時間の約四倍。一年以上の実務経験があるヘルパー資格者の場合は実習なしで受講時間の半分は、通信学習も組み合わせることができるが、それでも介護職に従事する人にとっては新たな負担材料だ。(以下略)
アサヒサンクリーンがラ・プラスに全株譲渡
古川浩社長に聞く 企業文化残して再生へ
訪問入浴サービスの大手アサヒサンクリーンは昨年十二月、名古屋市で介護事業を展開する「ラ・プラス」にに全株式を譲渡した。老舗企業だけに売却は業界にも波紋を広げている。引き金を引いたのは、本社のある東京での業績不振だ。「企業文化を残すことができるという意味で最良の選択だった」と話すのは新社長に就任した古川浩氏だ。前職は取締役名古屋支店長で、西日本での展開に貢献した。オーナー企業的体質から抜けきれないでいた組織をてこ入れし、今期中に黒字転換、「再生」をめざすと語った。
--なぜ、売却か。
「業績や、後継者問題から以前から検討していたが、十八年度決算で赤字になり、昨年八月から具体的に動き出した。介護保険の導入を機に進出した東北、名古屋を中心とする西日本は好調で、特に名古屋は八〇億円の売上げのうち、半額を占めるまでになっている。しかし、東京が振るわなかった。ピーク時の売上げは、半分に落ち込んでいるのに対し、コストは逆に増えている。一〇年ぶりに東京に戻ってきたが、自治体の委託だった時代に業界トップだったことに慢心していたのではないかと思う。恥ずかしい話だが、東京、名古屋、仙台がそれぞれ独立した企業のような状態で足並みが揃っていなかった」
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